早い。
ほんとに早い。
今日で五ヶ月だ。
でも、早いと感じているのは、ぼくが当事者でないからかもしれない。
あの日を経験し、あの日からの厳しい生活を毎日毎日経験している人たちにとっては、遅々として進まぬ日々なのかもしれない。
五ヶ月も経つのに・・・、という気持ちの方もきっと多いのだろう。
オーストラリアに戻ってきて、ぼくにできることは本当に限られてしまった。
それはとても歯がゆいことだ。
ここに戻ったいま、なんとかぼくに「できていること」は、
友人、知人、職場の仲間に現地の話をすること、
テレビ、新聞などのメディアの取材に応じること、
呼ばれればどこにでも行って話をすること、
大槌の人たちと手紙のやり取りをすること。
特に、手紙を書くということに時間をかけている。
たとえひと月に一度のやりとりだろうと、それが続く限り「大丈夫」のサインをやり取りしていることなのだと信じている。
オーストラリアの花や鳥や動物や岩の映ったポストカードに字をしたため、無事とどくことを祈りつつ送る。オーストラリアといえば美しいビーチなのだが、ぼくは青い海の映ったカードを彼の地の人に送れずにいる。
どうか大槌の方々に、東北の方々に、日本各地に避難されている方々に、安息と健康を。
「祈る」ことが、おそらくぼくにできる最大のことかもしれない。