2011年4月7日木曜日

岩手県大槌町

4月3日、日曜日に岩手に入った。
今回の津波被害が最も大きかった地域の一つ、大槌町に行く。

大槌町は沖縄県医師会の医療スタッフが震災後すぐ(3月16日)に入って支援を始めた場所で、ぼくもそのチームのメンバーに入っている。正式には4月16日から一週間というのが、ぼくの派遣期間なのだが、いくつか物資を届けるものがあったので、まずそこに立ち寄ったのだ。それに、そこにはぼくの古くからの友人、山代ドクターもいる。兄弟ともに親しい友人なので、ぼくは彼を山代兄と呼んでいる。

運転席以外まったく隙間なく物資を詰めたマツダMPVは、北上から遠野を抜けて、狭く曲がりくねった山道を上る。車体が沈み込むほどの重量なので、加速減速カーブ、すごく慎重だ。峠を越え、雪の残る細い山道を降りていく。谷川が見えてきて、民家がぽつりぽつりと回りに現れる。

と、突然、土砂にまみれたがれきが谷川に現れた。なんだなんだと思うまもなく、崩れた家や大破した車、無数のがれきが辺り一面に広がる。前触れなく、突然の光景だ。

もしなんの情報もなくこの光景を見たら、人はこれを津波の被害ではなく、空襲の後だと思うだろう。

徹底的に破壊されている。執念深く、ありとあらゆるものが破壊されている。

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